廃墟の遊園地
廃墟の遊園地
「本当にここに入るのか?」
深夜、都内から離れた山奥にある廃墟の遊園地「ひばりパーク」。かつては家族連れで賑わっていたが、事故が続き、ついには閉園となった。そして今では肝試しスポットとして若者の間で噂になっている。
大学生の直樹と友人の健太、舞、理沙の四人は、面白半分でこの場所に足を踏み入れた。
「なあ、やっぱやめねえか?」健太が怯えた声で言う。
「何言ってんのよ、せっかく来たんだから最後まで行くわよ!」舞は懐中電灯を照らしながら先を進んでいく。
遊園地の入り口には、サビついた門が不気味に開いたままになっていた。風が吹くたびにギシギシと音を立て、異様な空気を漂わせている。
「うわ、雰囲気あるな…」直樹がぼそりと呟く。
彼らは慎重に奥へと進んでいく。暗闇の中にそびえ立つ観覧車は動くはずがないのに、微かに揺れているように見えた。
「ねえ、あのメリーゴーランド、光ってない?」
理沙が指差した先には、完全に廃墟と化しているはずのメリーゴーランドが、淡い光を放っていた。
「おかしいだろ… 電源なんて入ってるわけないのに…」
四人は足を止め、静かに様子を伺った。すると、突然どこからともなく子供の笑い声が響き渡る。
「ひゃはははは…!」
「…っ!!?」
直樹たちは凍りついた。周囲には誰もいないはずなのに、確かに近くで笑い声が聞こえたのだ。
「おい、帰ろうぜ…マジでヤバいって…」健太が震えながら言う。
だが、その時だった。
メリーゴーランドの馬の一つが、ギギギ…と音を立ててこちらを向いた。
「!!?」
四人は恐怖で足がすくみ、声も出せなかった。その瞬間、メリーゴーランドがゆっくりと回り始めたのだ。
「どうして動くのよ…?」舞が息をのむ。
「やばい、逃げるぞ!!」
直樹が叫ぶと同時に、四人は一目散に走り出した。だが、出口までの道は妙に長く感じられる。
「おかしい…来た時はこんなに遠くなかった…!」
必死で走っていると、突然前方に白いワンピースを着た少女が立っていた。
「…一緒に遊ぼう?」
不気味な笑みを浮かべる少女の目は真っ黒で、まるで人形のようだった。
「うわあああ!!」
四人は悲鳴を上げながら方向転換し、別の道へと駆け込んだ。
だが、どこまで走っても出口は見えず、気づけばまた同じ場所、メリーゴーランドの前に立っていた。
「嘘だろ…どうなってるんだ!?」
そこには、さっきよりもはっきりとした子供たちの姿が見えた。楽しそうにメリーゴーランドに乗っているが、その顔はみな血まみれで、肉が崩れ落ちていた。
「早く…早く逃げなきゃ…!!」
絶望に打ちひしがれながら、直樹たちは再び走り出した。
……
それから数日後。
地元の新聞に、遊園地で行方不明になった四人の大学生の名前が載っていた。
彼らは二度と戻らなかった。
そして、噂は続く。「ひばりパークでは、今でも夜になると若者の笑い声が聞こえる」と──。

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