エレベーターの怪

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エレベーターの怪

エレベーターの怪

東京の夜、江戸川区に立つ古いマンション「美雅台レジデンス」に移り住んだ武田裕夫は、その日一人で帰宅した。昼の顔を知らないマンションの夜は、一段と深い暗さに包まれていた。

「今日は疲れたな…」

武田は深く噛みしめながらエレベーターに向かった。

チーンの音がこだましく響き、ドアがギィィィと鋭い音をたてて開いた。

「うっ…鹿。このマンション本当に大丈夫かよ」

乗り込み、三階のボタンを押す。緊張感を感じながらも心を落ち着けようとした時、無人のはずのエレベーターの中で、かすかに人の息遣いが聞こえた。

「ハァハァ…ハァハァ…」

心ないはずなのに、失い気の精神をひしひしと振るわせる音が、スピーカーを通して聞こえる。武田の胸元が自然と激しくなる。

「何かいるのか…」

武田はゆっくりと振り向いた。しかし、そこには誰もいない。

だが、ドアの鎧にうっすら映る人形が見えた。長い黒髪をたらして、顔の半分が流血している女の姿があった。

「わたしを…見つけたのね…」

その声と共に、エレベーターは大きく震え、ランプが起きたように明気がちかちかと止まった。

武田は静かに痛くしめらせた。ドアを開けると、そこには漫然とした暗やみが広がっていた。なぜか他の階にたどり着いていなかった。

...

誰も知らないエレベーターの怪、あなたは信じますか?

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